「ラストキング・オブ・スコットランド」


映画「ラストキング・オブ・スコットランド」を見た。 


1970年ウガンダ、クーデターにより政権をとったアミン大統領のお話し。主治医であり側近のスコットランド人医師の視点で描かれている。


映画の冒頭、事実に基づいた話しだと字幕スーパーがでるけど、かなり脚色されてる気がするな。たぶん、主人公のニコラスも実在した人物ではないよね。


この映画の原作は小説の形でかかれてるし
スコットランドの黒い王様 」
ジャイルズ フォーデン (著), Giles Foden (原著)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E9%BB%92%E3%81%84%E7%8E%8B%E6%A7%98-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%87%E3%83%B3/dp/4105900102



あくまで白人青年医師の視点で描いているので、もしかしたら、違和感を持つ人もいるかもしれないな。


アニミズム信仰や悪魔払いの儀式は無学な人々の愚かな行為として表現される。


アミン元大統領も、ご都合主義で自分勝手。死に怯える子供じみた人物とされる。愚かなのはアミンだけでない。ウガンダ国民は深く考えることなく、気に入らなかった前政権を倒したアミン大統領を拍手で迎える。


極めつけは、黒人医師(この人は賢い)の発言。この黒人医師は主人公のニコラス医師を軽蔑していたのにも関わらず助ける。そして助ける理由を訊かれて「君は白人だから、、、」。この台詞の後には「白人だから、世界にアミン政権の内情を伝える機会をえられる」という意味と「白人だから、今の状態を正しく理解し、しかるべき組織に伝えるだけの賢さをもっている」と言う意味があったように思う。それだけ、この黒人医師はウガンダに黒人に絶望していた(と描かれている)んじゃないかな。



私、個人的には黒人が白人に比べて愚かだとは思っていないので、この映画は差別的な表現が多いなと感じたけど、、、、それが、そんなに不快には感じなかった。



主人公はスコットランドで何の不自由もなく育ち、親の期待が嫌でウガンダに逃げたぼんぼん青年医師なので、まあ、そう見えても仕方がない。


それに、無知で素直なぼんぼん青年だからこそ、アフリカが抱える問題をシンプルに、素直に、まっすぐ見ている。この視点、これはこれで大切なこともあるし、また、私たちはこの視点で見がちなんだと認めるべきなのかもしれない。



「映画を見ました」と言う気分にさせてくれる作品でした。