50回目のファーストキス

交通事故の後遺症で短期の記憶を維持できないルーシー(ドリュー・バリモア)と、彼女に恋するヘンリー(アダム・サンドラー)のとても可愛いラブストーリー。監督はピーター・シーガル

この映画が凄いのは、誰もが問題なく楽しめる作品だと言う事。映画全体のテンポもいいし、主演の二人だけでなく出演者(動物含む)が皆個性的で良いキャラをもっています。深刻になりがちなストーリーなのですが、出演者のコミカルな演技がとても暖かく、爽やか。設定がハワイだと言う事もあり、人情味(?)が嫌み無く感じられます。
だからと言って、ただのラブコメとは言えないのは脚本の良さでしょう。主人公のルーシーは朝起きると、事故にあった父親の誕生日に記憶が戻ってしまう。ルーシーの家族は来る日も来る日も同じ日を演じ続けなければいけない。毎日同じ映画のビデオを観て、シャンプーが減らないように継ぎ足す日々。ルーシーに自分に記憶障害がある事を気づかれたとしても、翌日にはその事さえ忘れてしまう。家族は不安が無いわけが無い。
問題を先送りにするしか出来ない家族と、毎日あの手この手でルーシーを口説くヘンリーとの心の交流なんかも見所のひとつでしょう。
現実はそんなに簡単にはいかないし(と言うかそんな病気は無い)あくまで「物語」なんですが。。。

と、そんな事をゴタゴタ考えなくとも、二人の可愛い恋愛物語と、ハワイの映像と音楽。それだけで充分楽しめる作品だと思います。ポリネシアンが観て、嫌な気分になるかどうかは……ご愛嬌という事で。