「イラク-狼の谷-」


制作はトルコ。そのトルコでは客員動員数でトップになったらしい。だけど他の国で受け入れられるかというと、、、難しいかもしれない。少なくとも日本でヒットすることはないでしょう。


ハリウッド型の勧善懲悪アクション映画を、舞台がイラク、正義の味方のヒーローはトルコ人、悪者はアメリカ人で作ってみたという感じ。アメリカに恨みつらみのある人は、見てスッキリするのもいいかもしれない。


かなり偏った見方をした映画だけど、でも、まあ、これまでアメリカ映画でさんざん悪者“中東のテロリスト”として使われてきたんだから、これくらいの反撃は許されるかと思う。


で、この映画、実際の出来事や事件を取り入れているので、フィクションとノンフィクションの境目が分かりづかい。

この分かりづらさは良い効果と悪い効果がある。前者としては、事件のディテールが分かるということ。実際に起こった事件はニュースなどで海外にも伝わるけれども、それは何時何処で何があったかという事実関係のみ。被害にあった人の人生は語られない。そこをフィクションで補い、被害者の生活や人間性を物語として表現することで、ニュースとは違う伝わり方がするだろう。

だけど後者、悪い効果としては、そういった作り方は制作側も視聴側も感情的になりやすい。攻撃的になりやすい。冷静な判断を欠く可能性がある。


実際にある地名や施設の名前を使っているのだから、慎重になる部分も必要かもしれないなと思う。